■公開シンポジウム/9月9日(金)
ゲスト:結城登美雄さん、中川原信一さん
シンポジウムは、民俗研究家の結城さんを囲む平座の形で行われ、司会の岡崎典子さんが進行役を務めました。また、結城さんの隣では、あけびづる細工の名手、秋田の中川原さんが篭編みの製作実演を行いました。
住職衣笠さんのあいさつのあと、三男の衣笠広大君(小学5年)が自作の作文「未来に残すもの」を朗読。この題をテーマに据えてシンポジウムを進めたのですが、結城さんは、「未来に残す」のは大人の責務ではないか、と問いかけます。
篭を編み続ける中川原さんは、山にあけびづるはあるのだが、山に人の手が入らなくなって篭に適したつるを探しにくくなった、と語ります。美しい手仕事は自然と人の関わりから生れるという実感が、リズミカルに篭を編み上げてゆく中川原さんの仕事からも伝わってきました。同時に、自然と人の関わりが景観を生み出し、美しい景観が美しい手仕事を守る……この確信を、シンポジウムの参加者は山根の美しい風景の中で手にしたのではないでしょうか。
中川原さんが篭編みの手を休めて「掛け歌」を披露。自慢の喉からは、仕事の喜びが率直に伝わってきて、一堂感激のひとときでもありました。 |