研究生は、民藝の空間の中で、美しい生活とは何かということを実感しながら日々機に向う
仕事場の風景
お訪ねしたときは、卒業制作の真っ最中でした。1年間の研修を通して、服地、敷物、マフラー、ショール、ノッティングなど織物全般を学ぶそうですが、卒業までに着尺を織ることができるようになり、卒業式にはその着物を着て臨まれるそうです。
仕事場にある染織の道具は、織機や杼、糸車、はさみ類、籠など、どれもみな長年大切に使い込まれたことを想像させ、思わず撫でさすりたくなるほど美しいものです。
「日々の生活のなかで使われる美しいものをつくりだしている」という誇りが、仕事場の空気に凛とした緊張感を与えているように感じました。
倉敷では、アイビースクエアでも、大原美術館でも、街のカフェでも、ほうぼうでノッティングの椅子敷きを見かけます。ノッティングのシンプルであたたかみのあるデザインが、落ち着いた倉敷の街に、どこかモダンな雰囲気をかもしだしているように思えました。
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