今回は、趣は変わっていますがのどかな風景が残る伊作城下にある永倉竹細工店に伺いました。この地方では唐竹と呼ばれるマダケを用いて近隣の生活に根ざした竹細工を作っています。こちらの地域では巻き縁の伝承がされておらず殆どの製品があて縁による作りでした。小さなカゴを作る時は巻き縁にするため柔らかく粘りの強いキンチク竹を用いる場合があります。作られている物で特徴的だったのが塩テゴと呼ばれるニガリを採るためのものです。逆三角錐をしたその形に竹の表面と中の部分を使い分けて模様を作っており、縁にはつづらを使って止めています。これに塩を入れて桶などに載せて下に落ちるニガリを採るための道具です。昔はこの方法でとれたニガリを使って各家庭で豆腐が作られていました。しかし、現在では、そのままの用途で使われていることは稀で、花を生けたりと違った用途で親しまれています。その他、十六メゴと呼ばれる子供用の小振りなサイズの手つきの貝籠です。底の大きさが4寸×4寸のサイズであることからこのような名前がつけられています。
その他、大きな篭から小さな篭まで様々な物も作っていますが、こちらには日本三大砂丘の一つである吹上浜が近くにあることもありこのような海に関連する物を多く作っています。
久野さんが見本で渡した
伊集院で作られたくずかご |