東北手仕事調査

楢岡窯改築 訪問地:秋田県大仙市 2007.9.11

秋田・楢岡窯

9月10日に終わった盛岡での「盛岡・岩井澤家フォーラム」には、楢岡焼窯元・小松哲郎、潮の父子も参加くださいました。楢岡窯は現在窯を修理中なので帰りがけ寄る約束をして、11日の夕方訪れそのまま泊まることになりました。
昔からあった登り窯を崩して新たに築窯したのは20年前。そのとき相談にのり、島根石見の窯ツキ職人に依頼するため哲郎君と旅したのがつい最近のような思い出ですが、今回は登り窯四袋(4室)のうち3、4番のサマ穴(火炎道)にかかる耐火レンガが耐火度の弱い品番を用いたことが原因で押し潰され、この二袋を修理中でした。

さま穴
もうすでに窯修理には専門の職人は呼べる状態にないので、自らがぼちぼちはじめて3週間経つのだそうです。私と同世代、しゃにむに一人ででも取り組むヤッコさんに好感をもちました。また、九州地方では朝鮮由来の言葉でトンパリという袋の天井部アーチを、20年前築窯の際のつくり方を覚えていて、さらに工夫して一人で築きあげていくのも感心です。
あと2週間はかかりそうだとのこと。潮君とはその初窯に入れる注文の打ち合わせをし、窯出し予定日を10月22日として、私も立ち会うことにしました。

修理前の窯出し

改修により、この窯特徴の海鼠釉(ナマコユウ)がどう変化して焼き上がるのか楽しみでもあります。

 

手仕事フォーラム 久野恵一