フォーラムメンバーが最初この陶房を訪れたのは今年三月のことでした。山と田んぼに囲まれた道を車で走っている途中、たまたまちょっと入ってみようかと立ち寄った陶房で、まさに、伊賀丸柱・青土瓶の形を見つけたのです。目にした時には 、今でも丸柱にて昔ながらの形が作られていることに随分と驚き喜んだものでした。その土瓶の上釉は、飴釉でチョコレートのような色であり青土瓶の色ではありませんでしたが、これもまたこっくりとしていてよいものです。
この飴釉の土瓶を作っていたのは、30代の男性でした。代々この土地で焼物づくりをしてきた家を継いでいる方です。どうして今ではもう作られなくなったと聞いていた青土瓶のかたちが、今、ここにあるのかという驚きの答えはこの男性の好んで行っていることの中にありました。家の裏などから古くに捨てられた焼物の欠片を掘り出してくるのだそうです。そうして、掘り出してきたものの形をよく見、今のものに生かしているとのことでした。 |