瀬戸の行燈皿をご紹介します。いずれも昔の物です。
行燈皿は、電気のない時代の光源として、灯明を燃やしていた時代には、その受け皿として、なくてはならない物でした。生活必需品として、大量に作られました。そして、その主要な生産地が、瀬戸です。
生活必需品として、大量に作られたとしても、現代の大量生産品とは異なり、一つ一つ手を掛けて作られています。その最たる例が、絵付けの素晴らしさでしょう。その材料は鉄の濃淡のみですが、この単純な材料を使って、職人達は、のびのびと、大らかに絵を描いていきました。大量に作るところから、手が勝手に動いているかの様です。
現代の焼き物に、これを望むことは、不可能でしょうが、瀬戸の行燈皿に焼き物の絵付けの原点、そして、到達点があるように感じます。
以下に、最も多く描かれた「山水」を2点、「菊水」、「宝尽くし」、そして、上手で、主に武家で使用されていたのではないかと言われている「織部」の各行燈皿をご紹介します。
山水
山水
菊水
宝尽くし
織部
手仕事フォーラム 横山正夫 |