Kuno×Kunoの手仕事良品

昔の物 今の物(7)2007.01.11

この三枚の写真の抱瓶(だちびん)は、時代で言えば、いずれも「今の物」と言えます。また、一枚目と二枚目の写真の抱瓶はすでに亡くなられた工人の物です。

 抱瓶は、昔から趣味性の強い一品物であったのか、昔の物も数が少なく、これが、骨董店に現れることも希です。今の工人でも、抱瓶を大量に作ることはないと思います。それだけに昔の物も今の物も、工人が思い思いに自らの遊び心を発揮し、良い物が作られています。

 この三枚の写真の抱瓶は手法、大きさそして値段も違いますが、いずれ劣らず素晴らしい物だと思います。一枚目は三彩の美しさを、二枚目は赤絵の伸びやかさを、そして三枚目は形の切れ味と鎬の鋭さに目が行きます。 前述のように、三枚目の写真の抱瓶は現在活躍中の工人の物で、私はこの工人の抱瓶が最も昔の抱瓶の形に近い物ではないかと思い、今後の作品に注目しています(この工人は、そのような意識はないと思いますが・・・現に、この三枚目の写真の抱瓶もこの工人の作業場の庭先に雨土をかぶって置いてあった物です。)。

 興味のある方は、抱瓶を集めてはいかがですか・・・

 

手仕事フォーラム 横山正夫