Kuno×Kunoの手仕事良品

昔の物 今の物(8)2007.01.22

漆椀をご紹介します。
いずれも昔の物です。

一つは、南部の箔椀です。四つ組のうちの主椀のみを掲げます。
最も上手の物ですが、その形と意匠の素晴らしさは現代の製品を超えるものがあります。
もう一つは、飛騨の漆椀です。簡単な下地の上に黒漆を塗り、注文主の屋号らしき文字を朱漆で書いてあります。轆轤挽きも粗野で(渡り職人が生木に近い木を挽いたのではないかとも思います)、轆轤目が残り、また数個あっても形が均一ではありません。しかし、その出来上がった全体を見るといかにも力強く堂々たる姿となっています。石川県柳田村合鹿で作られたと言う合鹿椀とも通じるものがあります。
これら二つの漆椀は、漆椀としては、最上手と下手の両極に有る物とも考えられますが、いずれも現代では再現出来ない何かが有るように私は思いますが、いかがでしょうか。

 

手仕事フォーラム 横山正夫