プレス掲載

2004年4月7日 読売新聞掲載

地域欄 富山 読売新聞北陸支社
伝統の「手仕事」広めよう 専門家ら全国に紹介へ菅笠などの産地を調査

 昔ながらの手作りの民間工芸品の調査をしたり、新商品の開発を手助けしたりしている「手仕事フォーラム」のメンバーが二〜五日、福岡町の菅笠作りや平村の和紙製作など県内の産地五か所を見て回った。メンバーが県内を本格的に調査したのは初めて。

 同フォーラムは、神奈川県鎌倉市で民芸品店を経営している久野恵一さん(56)らが提唱し、2002年九月に結成された。メンバーは大学教授や一級建築士ら約二十五人。調査は今回が七回目で、これまで京都市や鳥取市などで行われている。

 今回は福岡町などの他に、藤の皮を編んで農具の箕を作っている氷見市のお年寄り宅を訪れた。同フォーラムが事前時提案していた新商品「書類入れ」も実際に完成しており、メンバーらは全国への紹介の仕方を検討していた。

 調査した手仕事は、新商品を含め、今後のフォーラムで同時開催する即売を兼ねた展覧会や、インターネットのホームページなどで紹介する予定。

 現在、フォーラムはNPO法人化の動きを進めている。提唱者の一人、東京造形大学(東京都八王子市)の大橋正芳教授(56)は「手仕事は、作り手と使い手、さらに運び手の存在で成り立つが、我々が新たに運び手、プロデゥーサーとなり、復興を図りたい」と話していた。

 同フォーラムのホームページはhttp://www.teshigoto.jp/