プレス掲載

盛岡タイムス 2007年2月20日掲載

手仕事逸品
全国各地の職人作品紹介

 

 全国各地の職人が手仕事で作った品々を展示販売する手仕事逸品の会(手仕事フォーラム主催)は20日まで、滝沢村葉の木沢山の岩井沢家特設ギャラリーで開催される。
 陶器や竹細工、染織、吹きガラスなど展示販売されている品は多種多様。機械化の時代に珍しくなりつつある手仕事による生活品の数々は、いずれも職人の手の温もりが伝わってくる逸品ぞろい。筑150年の古民家を移築し、太い木のはりや柱が至る所にある岩井沢邸の雰囲気も手仕事の品々とうまくマッチしている。
 陶器は大分県の小鹿田焼(おんたやき)や沖縄県の窯元の作品が多く並ぶ。小鹿田焼は化粧土の上からはけで模様をつけていく打ちはけ目や器の表面に当てたかんなの刃がろくろの回転で引っ掛かり模様がつくことを利用した飛びかんなと呼ばれる技法が用いられたものもある。
 沖縄の陶器は風土を表したような黄色や青、緑など独特の色使いが特徴的。抱ち瓶と呼ばれる陶器は、宮廷の人が水筒代わりに水や泡盛を入れて持ち歩いたもので、肩や腰にかけるためのひもを通す穴が備え付けられている。本来の使用目的だけにこだわらず、一輪挿しなどとしての活用も面白そうだ。
 沖縄からは陶器のほか,バナナ科の植物の葉から繊維を取り出し織った芭蕉布(ばしょうふ)や清涼飲料などの瓶を砕いて再利用した吹きガラスなどの展示もされている。
 本県からも盛岡市の蟻川喜久子さんの染織、一戸町の上平福也さんの竹細工、紫波町の小田中耕一さんの型染が並ぶ。
 手仕事フォーラムでは機関誌やホームページを通して日本全国の守っていきたい手仕事を紹介しているほか,定期的に各地で手仕事逸品の会を開き,消費者に手仕事の品々の良さを認識してもらっている。
 同フォーラム代表の久野恵一さんは「機会の時代の中で,手仕事の品は手の温もりが伝わる。作り手が育つには消費者に実際に使ってもらわねば。手仕事で制作されたものは見て,使って楽しいし,使い込むほどに味が出てくる」と話す。
 手仕事逸品の会は20日まで滝沢村葉の木沢山の岩井沢家特設ギャラリー開催。午前10時から午後4時まで。20日午前10時から午後3時までは秋田県横手市の中川原信一さんによるアケビつる細工の実演も行われる。 
問い合わせは電話623-2053。